「夜中に激痛で目が覚めた」「痛くて救急車で運ばれた」
この『激痛』で有名なおしっこの通り道に結石ができる病気が尿路結石です。 結石はすぐに生死にかかわる病気ではありませんが、何しろ激痛を伴う場合があるので要注意が必要です。

近年、尿路結石患者は年々増え続けています。主に、壮年男性と閉経後女性に多いとされています。

何よりもやっかいなのは、
一度尿路結石になると80%~90%の方が再発する可能性が多いということです。
また、生活習慣病(糖尿病、高血圧症、脂質異常症、痛風など)がある方に、多く発生します。結石患者の40%は肥満の方であるという報告もされています。

尿路結石ってどうやってわかるの?

尿路結石とは?

尿の通り道である腎臓・尿管・膀胱・尿道を尿路と言います。
尿の中に含まれているカルシウムやシュウ酸などが結晶化しこの尿路で結石ができることを尿路結石といいます。

  • 腎臓にできるものを「腎結石」
  • 尿管にできるものを「尿管結石」
  • 膀胱にできるものを「膀胱結石」と言います。

症状としては背中から腰にかけて激痛が走り、血尿を伴うことがあります。
再発が多く5年間で30〜40%と言われています。
期間を限定しなければ60~80%再発すると報告されています。

まずはしっかり検査することを
おすすめします

泌尿器科は尿路関連のエキスパートです。 以前発病した方も、尿に違和感がある方も、痛みがひどくなる前に受診しましょう。

尿路結石の診断・検査

大まかな腎臓の様子(腫れていないか:水腎症)、腎臓付近の結石の有無を診ます。

X線(レントゲン)にてにて結石の場所と大きさを診ます。レントゲンに写らない結石も多くあります。

※下図:赤丸内の白く映っているのが結石-左腎結石

尿路のどこに、どの程度に結石があり、それにより尿路がどのようになっているのか診る検査です。

※下図:赤丸内の白く映っているのが結石-左腎結石

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尿路結石の治療

尿と一緒に結石を出す(排石)治療法です。
痛み(疼痛)がある場合には、痛みを抑える治療を同時に行います。結石の成分によっては、結石のごく一部を溶かす治療も行うこともあります(尿酸結石など)。しかしながら、溶かす治療はほとんど効果が認められない場合が多いのが現状です。結石の大きさが径4mm以下であれば、約50%確率で自然排石が期待できるとされています。1ヵ月以上自然排石できない場合は手術を考慮することとなります。

体の外から衝撃波を当て結石を割る治療です。
砕石(割れた)された結石が尿と一緒に排石させます。日帰り~数日の入院で治療可能。負担の小さい治療法です。しかしながら、結石が固く砕石できない場合も少なくなく何度も治療を行うこととなる場合もあります。また、砕石(割れた)された結石が粉々にならず、大きな破片となり、新たに尿路に詰まってしまい激痛の原因となることもあります。結石の場所や大きさ、硬さによっては内視鏡治療を選択したほうが効果が高い場合もあります。近年、世界的にこの方法を選択することが大きく減ってきている状況です。

内視鏡を使用した治療方法です。
尿道から 細い内視鏡を入れて尿管または腎臓の結石をレーザや空気衝撃波などの砕 石装置で砕石します。数日~1週間以内の入院で治療可能。破砕された結石片は、手術中に体外に取り出すこと ができます。使用される内視鏡は、硬性内視鏡か軟性内視鏡のいずれかで、 治療部位により選択されます。治療効果の高い手術として近年増加してい ます。
※写真:尿管内。尿管の中にある結石:黄色3mmを鉗子でつかんでいるところ

内視鏡を使用した治療方法です。
背中に小さな穴を開け、その穴から内視鏡を入れ、腎臓の結石を砕石、取り出す治療です。入院期間は、1~2 週間程度になります。比較的大きな腎結石に対して行われることが多い手術です。破砕した結石片は、比較的短時間で体外に取り出すことができます。反面、腎臓に穴をあけるので出血のリスクもあります。

でも…再発するのが怖い…

尿路結石は治療が終わっても再発することが多いのが現状です。しかし、しっかりと予防をすることで再発をなるべく防ぐことを心がけて生活しましょう。

ご安心ください!
予防までご指導します

予防は、知っているのと知らないのとでは、大きな違いです。一人ではなかなか予防できなくとも、定期的に受診することで痛みが来る前に治療できます。

まえばる泌尿器科クリニックでは、尿路結石の専門外来を開設しています。
診断から治療法、予防の仕方までじっくりと患者様にお付き合いします。

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再発を防ぐには
このような予防があります

  • 1日に2リットル以上を目安に水分摂取。汗をかいた場合などはさらに補給する。
  • アルコールやジュース(糖分が多めの物)は控えめにする。
  • 専門医にかかり、生活指導や食事指導を受けることにより、80~90%あった再発率が60%にまで低下する(結石クリニック効果)
  • 運動により、結石の自然排石効果が促進される。特に小さな結石には効果的。
  • 運動習慣をつけることにより骨が丈夫になり、カルシウム溶出を防ぐ。
  • カルシウムを多く摂取する。
  • シュウ酸を多く含む食材(紅茶、コーヒー、抹茶など)の摂りすぎに注意する。

尿路結石

どういう人が尿路結石なるんですか?

原因ははっきりわかっていませんが、男性、肥満、高血圧症の方は尿路結石を発症確率が高いです。

尿路結石になりやすい季節はあるのですか?

外気温が高いとき(夏)に結石による疼痛発作が起きやすいことがわかています。

尿路結石は遺伝で起こるのですか?

明らかな責任遺伝子は同定できていません。
しかしながら、結石発生には56%に遺伝的要素がかかわっているとの報告もある。家族歴のある方は、若年で結石が発生しやすく、再発も多いことがわかっている。

痛みはありません。放置してて良いですか?

腎臓内の結石で10mm未満の大きさであれば治療せずに経過観察だけでよいと思われます。
しかしながら、水腎症(腎臓の腫れ)がある場合には、放置していると腎臓が悪くなります。

尿路結石は再発するのですか?

6割の方が再発すると言われています。再発予防として、水分摂取を多くして(2リットル/日以上)、カルシウムを多く摂り、塩分を控えた食事にすることが勧められています。

治療はどんなものがあるのですか?

尿路結石の約60%は手術せずに自然排石します。
結石が出るまでの間は、鎮痛剤などを用いて痛みの管理を行います。1か月経過しても結石が体外に排出されない場合は手術を行います。近年までは衝撃波で結石を割る体外衝撃波砕石術が最も多く行われていましたが、術後再発や合併症の観点より、経尿道的尿路結石砕石術が最も行われる術式となりました。

まえばる泌尿器科クリニックには、多くの結石患者様を治療してまいりました。
まずは痛みを取り除くベストの治療法と再発を極力防ぐ予防策などご提案いたします。
すっきりと治し、楽しい日常を取り戻しましょう!